昭和10年開業。令和3年で85周年を迎えた『中津川写真館』さま。
激動の時代のさなかに、初代が元城町に店を構えますが、戦禍を被り元浜町に移転。10年ほど前に現在店舗のある住吉1丁目に再度移転し、5年前に全面改装されました。
そのときはまだ、東京でフォトグラファーとして活躍しており、事業を完全に引き継ぐ覚悟ができていなかった隆康さま。
しかし先代の年齢やコロナ禍などさまざまな環境の変化があり、三代目として跡を継ぐことを決心し、Uターン。
それを機にホームページもリニューアルし、キャッシュレス化も図られました。
世代交代に伴い、これからの写真館の営業スタイルを見据えて舵取りをした隆康さん。
しかしこれまでも、『中津川写真館』が大切にしてきた想いは変わらず、時代に合ったサービスを取り入れて事業を継承してきました。
時代が多様化・デジタル化して、営業スタイルが変化しても、地域の皆さまの〝家族の絆を残す町の写真館〟としての根幹は受け継いでいきたいと話します。
ホームページリニューアルやキャッシュレス化などにあたっては、世代交代する経営者が必ずぶつかる壁とも言える、先代との意見の対立などもあったとそうです。世代による意識の違いをどうクリアされたのか。リニューアル後、2ヶ月でどんな効果を感じられていらっしゃるのか。三代目経営者、中津川隆康さんにうかがいました。
ホームページリニューアルのきっかけは何でしたか?
私が事業を正式に引き継ぐ決心を固めたことが最大の理由です。
店舗も改装したタイミングで刷新できれば、とても効果的ではないかという予測もありました。
店舗改装、ホームページリニューアル、キャッシュレス化をまとめて推し進めましたが、一気にやって良かったと思っています。
その際のデジタル化にまつわるエピソードはありますか?
まず、両親(先代)の年代的にデジタルへの拒絶反応は想定内でした。ネットで見つけたホームページ制作会社を信用できるのか、キャッシュレス決済を使いこなせる自信がない、など不信や不安を口にしていました。ですから、世の中はネット社会がますます進んでいくこと、今後の写真館のあり方も変わっていくことを伝え、説得というより押し通した感じです(笑)。
でも最終的には納得してくれました。コロナ禍でテイクアウトなどが当たり前の光景になり、ネット環境がより身近になった社会情勢が追い風になったのだと思います。キャシュレス決済にもすぐ慣れて簡単になったお会計に喜んでいますし、ホームページの出来にも満足してくれています。
当社をどのようにして知りましたか?
私は高校卒業以降、東京にいたので浜松は地元とはいえ地の利がないので、それこそネットを駆使して検索しました。
作ってもらうなら身近でいろいろ相談しやすい地元の制作会社がいいと考えて、浜松のホームページ制作会社を比較検討していた中で、MPさんにもたどり着いていました。
地元中心に請け負っていることや、さまざまな業種の地元中小企業さんのオンリーワンを見つけて表現していることなど、中津川写真館のリスタートにとても合っていると感じ、制作をお願いすることにしました。
当社CMSの利点はどこにあると思いますか?
自分で簡単に更新できる点は、できるだけ自分で作業して運用費用を抑えたい中小企業の方には、とても優れたホームページ作成サービスだと思います。
また、SEOに強い、スマホ対応のCMSであることなど、今のホームページ運用に欠かせないサポートがあることも信頼できます。
そのほかデザイン性など挙げればきりがありませんが、効果的なホームページにするための相談を気軽にできる手厚いアフターフォローは、特筆すべき利点だと思います。
リニューアルして(取材時では)2ヶ月経っていませんが、
反応や効果などを感じることはありますか?
ホームページで売り上げアップという実益まではまだ届いていませんが、予約フォームがとても機能していて、問い合わせや予約は確実に増えています。
また、思わぬ相乗効果もありました。地元の大学生が就職活動の履歴書証明写真を撮影するために利用してくれたのですが、「電子履歴書にそのまま写真データを添付したいので、写真をメールで送ってほしい」とお願いされたんです。写真をデータでお渡しするサービスは行っていたのですが、履歴書はプリントしたものが基本だと思っていたので、今のベーシックを知ったことをきっかけに、電子履歴書向けのサービスも始めました。新しいサービスが生まれたことは、ホームページの相乗効果だと思っています。
地域に根付いた、人との繫がりを感じる
暖かいエピソードですね。
時代が変わっても〝家族の絆を残す町の写真館〟という想いは大切にしていきたいと思っています。 創業当初はコンパクトカメラがない時代で、写真は写真館などで撮ってもらうのが一般的。
名刺くらいのサイズにプリントしたものを手札として持ち、名刺交換するような目的で使う方も多かったようです。今でいう、SNSで友達申請のようなイメージかなと想像しました。
やり方は変わっても、顔を見せて自分を知ってもらうという、コミュニケーションの手法は変わらないんだなと感じています。
中津川写真館も、フィルムが国産化されてコンパクトカメラが登場して自分で写真を撮ることが普及し始めたころ、現像や機材の販売も行うようになりました。
さらに写真もデジタル化して、スマホが普及するなど、大きな時流の変化に対応しながら事業を継承してきました。しかしそこに、変わらないポリシーがあったからこそ、今も三世代のお付き合いが続くご家族がいらっしゃるのだと思います。 また新たに、若い世代のお客さまもご利用いただけるようになっています。
時代に合ったサービスを提供する変化と写真館の古き良きサービスの融合。すてきですね。
お孫さんの世代が、また中津川写真館を利用したいと思っていただけるように、そして祖父母世代が新しいものを取り入れても変わらないものがあると安心していただけるように、親世代には今風でありながら懐かしさを感じる写真館の良さを改めて知っていただけるように。お店やホームページのリニューアルの際は、雰囲気や表現があまり尖ったものにならないよう配慮しました。
家族の絆や家族の変遷が写真に残されていると、家族の大切さ深まるのかなと感じているので、写真館の良さを残しつつ、中津川写真館として写真に付加価値をつけていければと思っています。
それから今は、このコロナ禍で安心していただくことも重要です。
手指消毒やマスク着用など基本的なことや、キャッシュレス決済の導入などでの感染防止対策はもちろんですが、紫外線ウィルス除菌装置を導入しています。アルコール消毒できない布張りの椅子など館内の設備や機器、撮影で使用するぬいぐるみや衣装など、お客さまが直接触れる箇所を撮影のたびに殺菌しています。安心してご来館いただければと思います。
最後に、これからホームページを開設しようと考えている方にアドバイスを。
事業を持続させるために、時代に合ったビジネスに変化させる、または取り入れることは、とても重要で、その中でもホームページは強力な武器になると思います。
費用対効果や集客効果のあるホームページを作り、効果を上げていくためには、お店をもう一店舗作るくらいの気持ちが必要かもしれません。それでも必ず何か利になるものが返ってくる。
ホームページから繫がっていくたくさんのものの中に、事業継続のヒントがあると思います。